50年以上生きてきたが、これだけ人生が動いた年はない。
おそらく今後もないだろう。
年末にその年一年を振り返るような性格ではないが、今年は振り返らざるを得ない。
5月、同棲している彼女が妊娠した。
前にも書いたが、僕らは特段子どもが欲しいという2人ではなかった。
彼女はまだ30代だけど、僕はもう50代だ。
さらに僕は前に結婚歴があり、その時に不妊治療をしていたが、結局子どもを授かることはできず、自分は子どもができづらい体質だと思っていたのもある。
彼女の方もどうしても子どもが欲しいと思ってはいないということだったし、僕らは特に子作りはしていなかった。
それが思いもよらず彼女が妊娠して、人生がひっくり返った。
子どもを積極的には欲しいと思わないと話していた2人だったが、子どもができたとわかるととても嬉しかった。
この気持ちの変化には我ながら驚いた。
同じように彼女も自分の気持ちの変化に驚いていると言っていた。
日々幸せが押し寄せてくる感覚を味わったのを、昨日のことのように思い出す。
毎日の行動や食べ物にめちゃくちゃ気をつける日々が始まった。
6月、結婚した。
結婚しない関係を続けると決めていたわけではなかったが、そんなに急がなくてもいいとも思っていた。
でも子どもができたとなると話は別になった。
世の中の結婚の価値観は変わってきた感じはあるが、まだまだ婚姻関係にないと色々と不便なことは多い。
お互い結婚に対する抵抗感もない。
交際6年目にして、僕らは結婚した。
僕らの歳の差は一回り以上あるのもあって、彼女の家に挨拶にいくのはめちゃくちゃ緊張した。。
そして姓が変わったことでの手続きはめちゃくちゃ大変だった…
日本もこういうところまだまだだなぁと実感。
同じく6月、妊婦健診でお腹の赤ちゃんにむくみが発見された。
検査と検診で複数の病院に何回も行った。
幸せの絶頂に暗雲が立ち込めてきた。
毎日が不安でしかたなかった。
7月、赤ちゃんが18トリソミーであることがわかった。
8月、羊水過小を発症、赤ちゃんは死産となってしまった。
同じく8月、夫婦揃って新型コロナに罹患(2回目)。
11月、激しい腰痛で病院に行き、ストレートバックであることが判明。
ストレートネックはよく聞くけど、ストレートバックなんてのもあるんだ…
同じく11月、中古住宅を購入。
今住んでいる賃貸住宅の契約が来年で切れ、契約形態が定期借家のため更新もできないので、タイミングとか色々考えて住宅購入を決めた。
住宅ローンの審査が通らないとか色々あったけど、先日やっと引き渡しを受けてきた。
でも入居はもう少し先になる。
購入した物件は築20年を超える中古で、あちこちリフォームをするためだ。
年末年始を挟んでしまうので、入居まで2ヶ月くらいかかりそう。
まだリフォーム内容も固まっていないが、入居が待ち遠しい。
こんな感じで、振り返ると激動の一年だった。
赤ちゃんができて、結婚して、赤ちゃん亡くなってしまって、家を買った。
人生が動きまくった一年だった。
赤ちゃんが生きていれば年が明けてすぐの1月に出産予定だった。
そんな話を昨日奥さんとして、ちょっと泣いたりしていた。
悲しいけど、でも赤ちゃんが来てくれたことに変わりはないと、今は夫婦でそう思えるようになってきている。
でもやっぱり月命日とか、当時のことを思い出すとか、赤ちゃんが生きてたらなんて話をすると泣いてしまう。
元々新年を迎えることに大きな意味を見出すような性格ではない。
年末に一年を振り返ったり、年明けに新年の目標を立てたりすることもあまりなかった。
でもこれだけの出来事があれば一年を振り返ってもいいだろう。
おそらくこんなに人生が動く一年はもうないと思う。
来年は何と言っても新しい土地、新しい家での生活が始まる。
期待に胸を膨らませながら年を越そうと思う。