僕らの赤ちゃんは妊娠34週で産まれた。
産まれた時の体重は1609g。
早産児で低体重児だ。
産まれてそのまま集中治療室に入り、回復室を経て、先日ようやく退院できた。
そんな赤ちゃん、今思えばだけど、早く産まれてきたのはとても優しい理由からなんじゃないかと思ってる。
妊娠34週の時点で、妻は妊娠高血圧症候群になっていた。
はっきり診断されたわけではなくて、この数週間前から検診の時の血圧測定で上が140を超えるようになっていたので、医師から少し気をつけて診ていきましょうか、と言われていたところだ。
34週のある日突然破水して、その時の血圧は上が160、尿蛋白も出て、その時点で妊娠高血圧症候群と診断された。
破水した翌日には出産して、胎盤は検査に回された。
そしてその結果、胎盤の一部が不全で、血液が流れていなかったのがわかった。
母体はそこに血液を流すために血圧を高くしていて、それが高血圧の原因だった。
つまり、あのまま妊娠が継続されても、高血圧が改善することはなく、胎児も育たなかっただろうというのが医師の見立てだ。
赤ちゃんは34週の時点ですでに少し小さくて、それも恐らくこれが原因だということだった。
この説明を聞いて、僕ら夫婦は思った。
突然破水し、予定より1ヶ月以上早い出産となってしまい、準備はしてないし予定は狂うし赤ちゃんは集中治療室だしで、なんでこんなことになってしまったんだと思ったけど、実は赤ちゃんはベストなタイミングで出てきてくれたのではないか、と。
だってあのままお腹の中にいたら管理入院になっていただろうし、そうなっていても母体は通らない血管に血液を送り込むという無理を続けるしかないわけで、それはとても危険なことだったはずだ。
だからそうなる前に出産できたのは、むしろ完璧なタイミングだったんじゃないか。
あの日突然破水したから、設備のある病院に搬送してもらって、手厚い管理体制の中で安全に出産できて、母体も赤ちゃんも無事だったんじゃないか。
そんな風に考えると、なんだかそれはとってもスッキリと受け入れることができた。
人の体っていうのはとてもよくできているし、神秘的だなぁとつくづく感じる。
この子の前の子は残念ながら死産になってしまい、その時に人が一人産まれてくるというのは奇跡なんだと強く思ったけど、この子も奇跡の元に産まれてきたんだ。
今僕の隣で小さな寝息を立てている赤ちゃん。
いつかこの話をしてみようかなと、そんなことを考えている。
完璧なタイミングで産まれてきてくれたんだね。
お母さんを守ってくれたんだね、って。